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よしもとアーキグラム「地球は、ひとつの生命樹。」

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よしもとアーキグラム「地球は、ひとつの生命樹」
『雲母唐長』の植物文様 X 植物の声を聴いてみた(澤野新一朗)

『呪術廻戦』や、『鬼滅の刃』など。目に見えない力が活躍するアニメが人気の昨今。京都に代々伝わる伝統的な植物文様にも縁起を呼び込む不思議な力が秘められてきた。
そんな、目に見えない植物の「霊力」と、人の耳には聴こえない「植物の声」コラボレーション!
不思議な力に触れながら、葉と葉、根と根、植物体に流れる微弱な電気を音に変換、植物の声を聴いてみた。

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植物はもともと、葉と葉、根と根などが、「あっちに水脈があるよ」とか「危険な動物が近づいてきたよ」などとコミュニケーションを取り合っています。
いわば、その植物の言葉を拾って収録し、それぞれの「植物の声」を再生しました。(人為的な操作は一切ありません)

その声は、土壌の状態や大気の環境でも、声の音色やトーンやピッチが異なります。
植物の声を通して、地球の生命力、地球の健康も聴こえてくるような気がします。

現在、「サスティナビリティや環境について考えること」と「文化や伝統について考えること」はセパレートであると考えられがちです。それぞれの活動団体もセパレートされているかもしれません。

けれども、京都では、また日本では古来から、文化はサスティナブルな暮らしを守るに欠かせないものであり、自然や環境と深く結びついて来ました。

伝統工芸である家紋や唐紙の文化は、身近なひとの「長寿」や暮らしの「平和」、ご商売の「繁栄」などを祈るため。
そういう時空を超えたひとの想いを、植物や動物の形霊を通して、そこに意匠を込めたもの。それは日本人が代々継承して来た智慧なのではと思います。

その文様文化を紹介しながら、同時にそれは、文様という「サスティナブル・ブランド」であり、現在においては「アフターコロナのマインドセット」として、「暮らしを守る」=「環境を守る」=「文化を守る」という日本人が受け継いできた智慧について考えていきたいと思います。

伝統工芸と、サスティナビリティ。
文化とサスティナビリティ。
について考えます。

配信情報

  • 開催日程
    10月11日(月)〜
  • 配信
    YouTube

楓の声を聴いてみた

シダの声を聴いてみた

ヘチマの声を聴いてみた

ハスの声を聴いてみた

唐紙師 トトアキヒコ氏100年先を生きる人と共同創造するために。
未来への「種」を残します。

語弊を恐れずに言うと、むかしの日本人は現代人より「おめでたく生きる」のがうまかったような気がします。
縁起を担ぎ、植物の文様を通して、日常の暮らしのなかに吉祥を持ち込み、ほっとしたり、前向きになったり、ポジティブなマインドセットを設定するのがうまかった。験の良さにあやかる力に秀でていたような気がします。
ずっと唐紙師として仕事をしてきて、2013年頃かな、あらためて、「吉祥には、なにかがある」と感じて、「文様は祈りの風景である」という境地に辿り着きました。その後、文様には意味や物語があると提唱するようになったのです。
日本語には、「言霊」というものがあるけれど、それとはまた別の力というか・・呪術的なというか・・「人知れず伝える」という部分が吉祥文様にはあるな、と。
装飾的に見てきれいやなというだけやない。言葉ではなく伝わる「暗黙知」というものが、そこにはある。「うちの文様には人をしあわせにする力がある」と呪文のように口ずさんでいます(笑)。

唐紙師

トトアキヒコ

唐紙師。
平安時代より伝わる唐紙の伝統を継承しつつ、アートとして愛でる唐紙の新たな世界を切り拓いた、唐紙アートの第一人者。
深淵な青い作品は、八百万の神や精霊と共に手がけた詩情が宿る〈トトブルー〉と愛されている。

[WEB] https://kirakaracho.jp
[Instagram]@totoakihiko_kirakaracho

『雲母唐長』の平成-令和の百文様プロジェクト

このプロジェクトは、唐紙文化の普及を通じて、日本文化の普及を鑑み、伝統と継承、循環と再生のサイクルを創造し続けることを意図しています。
100年後の京都に生きているサスティナビリティな文化プロジェクトとして誕生しました。
今を生きるわたしたちの祈りや願いの物語が込められた新しく生まれた100の文様。
凡そ400年という長い時を経て育まれ伝承されてきた現行の文様とともに、平成から令和の時代のリアルな息吹を経て、100年後の未来にその文化を伝えようとする試みです。

唐長考案文様に加え、多種多様なクリエイターやブランドとのコラボレーション文様、一般公募文様の3つのカテゴリーから百文様を選定。
多様性と変化を受け入れてフィルターに通すということが、伝統の新しい力になると考えられ、生まれました。

『百文様紋』
《多様性、変化、繁栄、邪気払い、継承》

渦巻きの力が宿る生命樹の中に百(多様性)が繁栄し続けるという祈りを込めた渦は、変化と再生の象徴。
百は、たくさんという意味と共に、八百万の神々が宿る唐紙の精神世界を表し、漢字の原初の姿として文様に取り入れました。
下部の根っこは目に見えぬものに対する敬意と感謝の念を表すとともに、凡そ400年もの間、日本で唯一続いてきた唐紙屋としてのルーツの継承、伝統と歴史への敬意を表しています。
最後に文様全体を包むように桃のフォルムを与えました。
桃は、仙果と言われる不老長寿を与える神秘の果実。
また、古事記のイザナギ、イザナミ伝説にもあるように、厄除けの力を込め、邪気祓いと開運、変化と再生、繁栄を願い、モノゴトが継承されることへの祈りを込めました。

ハーモグラファー 澤野新一朗氏写真は一瞬を切り取っていても、そこには、その花や景色の持っている光やエネルギーが転写され人を感化する。

今回、植物の声を収録し提供していただいたのは、澤野新一朗さんです。澤野さんは、南アフリカの『神々の花園』のお写真で各地で個展を開かれるなど、お花や自然を撮った写真で定評があり、国内外でご活躍されています。カメラマンとしてだけでなく、音やフラワーエッセンスなど多岐に渡る幅広いジャンルで活動されています。
僕はカメラマンとして一時、報道にいたんですが、そのあとは自然をメインに撮影をしています。今から30年ほど前に、地球最大の野生の花園に出逢う機会がありまして、以来、ライフワークのひとつとして、その花園を撮り続けています。
場所は、南アフリカ共和国のケープ地方ナマクワランドというところです。昨年と今年はコロナで行けなかったんですけど、それまでは、毎年訪れて、毎年変化するその花園を撮影したり、その花園を観てみたいという人に向けてツアーを企画したりしていました。

ハーモグラファー

澤野新一朗

東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒。
“神々の花園に魅せられた写真家”として国内のみならず海外メディアでも紹介されている。
南アフリカ共和国政府公認観光大使。

[WEB] linktr.ee/shinsawano
[植物体の音楽をアップしたYouTube]YouTube

株式会社レスポンスアビリティ代表 足立直樹氏どこにどういう生物がいたのか。どういう風土で、人がどう工夫したのか。それらすべてが文化になるんです。

暮らしを通して、文化とサスティナビリティについて想いを廻らしてきましたが、京都市は「生物多様性プラン」を「生物多様性と文化」というアプローチで文化を絡めて展開してらっしゃって、とても興味深いと思いました。足立さんは、その骨子を作成された委員のお一人でもいらっしゃいます。
現在、世界中の生き物の25%が絶滅危惧種で、このままの状態が続くと、この先10年20年でこれらの種は絶滅してしまいます。恐竜の絶滅など今までもそういう危機的な状況が地球の歴史の中では5回あり、今が6回目だと言われています。けれど、今回は今までの100倍ぐらいのスピードで絶滅が進んでいるのです。生き物がいなくなり、生態系が傷つき機能しなくなると、想像がつかない悪循環も予想されます。例えば、ミツバチがいなくなると、植物の受粉が媒介されなくなり、私たちが食べる野菜や果物の6〜7割がなくなると言われています。

株式会社レスポンスアビリティ代表

足立直樹

もともとは植物生態学の研究者。サステナビリティ経営のコンサルティングを企業向けに行うが、2018年からは京都に移転、地域企業や地域創生の支援にも力を入れている。

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『枝紅葉』
《長寿、変化》

『信夫の丸』
《子孫繁栄、多福、商売繁盛、夫婦円満》

『瓢箪』
《子孫繁栄、多福、無病息災、厄除け》

『散り蓮華』
《浄化、繁栄》

唐紙師 トトアキヒコ氏100年先を生きる人と共同創造するために。
未来への「種」を残します。

『雲母唐長』の
平成-令和の百文様プロジェクト

ハーモグラファー 澤野新一朗氏写真は一瞬を切り取っていても、そこには、その花や景色の持っている光やエネルギーが転写され人を感化する。

株式会社レスポンスアビリティ代表 足立直樹氏どこにどういう生物がいたのか。どういう風土で、人がどう工夫したのか。それらすべてが文化になるんです。